Appetite for Destruction / Guns N’Roses (ガンズ・アンド・ローゼズ)
Appetite for Destruction/Guns N’Roses
1. Welcome to the Jungle
(ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル)
2. It’s So Easy
3. Nightrain
4. Out ta Get Me
5. Mr. Brownstone
6. Paradise City
(パラダイス・シティ)
7. My Michelle
8. Think About You
9. Sweet Child o’Mine
(スウィート・チャイルド・オブ・マイン)
10. You’re Crazy
11. Anything Goes
12. Rocket Queen
衝撃のデビューアルバム『Appetite for Destruction』
当時、ロサンゼルスのHM/HMシーンはテクニカルでゴージャスなサウンドと、派手なルックスで魅了する、後にヘヤーメタルとも称されるバンドで覆いつくされていた。
そんな中、ひときわ異彩を放ち、より荒々しい、本能的なロックサウンドで登場したのが1987年7月にリリースされた Guns N’Roses のデビューアルバム『Appetite for Destruction』である。アクセル・ローズ(ボーカル)、スラッシュ(ギター)、イジー・ストラドリン(ギター)、ダフ・マッケイガン(ベース)、スティーヴン・アドラー(ドラムス)というラインナップで生み出すサウンドは衝撃をもって受け入れられ、その後のシーンに大きな影響を与えることになった。
リリース直後こそ、それほど注目を集めなかったが、シングル「Sweet Child O’Mine」の大ヒットをきっかけに、アルバムは爆発的な人気を得て。最終的には全世界で3000万枚以上を売り上げ、アメリカだけでも1800万枚を記録する大ヒットアルバムとなった。また、ビルボードTOP200でも堂々の1位を獲得! 1980年代後半から1990年代初頭にかけてのロックシーンにおいて最も影響力のある作品の一つと言える作品となった。
ジャケットアート論争
オリジナルのアルバムカバーはロバート・ウィリアムスによる絵画「Appetite for Destruction」を使用しており、ロボットが女性を襲うショッキングなイメージだった。このアートワークは多くの批判を浴び、レコード店からも販売拒否されたため、十字架とメンバーのスカルのデザインが代替カバーとして使用されることとなった。
幻のギブソン・レスポール 実はレプリカ?
スラッシュが『Appetite for Destruction』のレコーディングで使用したレスポールは、実はギブソンのオリジナルではなく、レプリカ(コピー)だったというエピソードがよく知られています。当時のスラッシュは、ギブソン・レスポールのヴィンテージモデルを買う財力がなかったため、アメリカのルシアー(ギター製作家)であるクリス・デリス(Kris Derrig)が製作した1959年モデルのレプリカを使っていました。
危険なライフスタイル
アルバム制作時、メンバーの多くが酒やドラッグに溺れていたため、プロデューサーのマイク・クリンクは、制作がスムーズに進むように大きな努力を払うことに…特にスティーヴン・アドラーのドラミングには苦労があったと言われています。他にもアクセル・ローズの遅刻癖は有名で、何時間もスタジオに現れないことが頻繁にあったそうです。
トレイシー・ガンズ(Tracii Guns)?
トレイシー・ガンズ(Tracii Guns)は、Guns N’Rosesの初期のメンバーであり、バンド名の由来にも関わる重要な人物です。Guns N’Rosesは、アクセル・ローズが所属していた「Hollywood Rose」と、トレイシー・ガンズが率いる「L.A. Guns」というバンドが合流して結成されたというエピソードが背景にあります。
当初、バンドはアクセル・ローズ(Hollywood Rose)とトレイシー・ガンズ(L.A. Guns)のコラボレーションでスタートしましたが、すぐにメンバーの入れ替えが起こりました。トレイシー・ガンズはバンドの初期ラインナップに名を連ねていたものの、Guns N’Rosesのレギュラーメンバーとして定着する前に脱退してしまいます。彼の代わりに加入したのが、後にバンドの看板ギタリストとなるスラッシュ(Slash)でした。
トレイシー・ガンズがバンドを去ることになった理由については、いくつかの説があります。一つは、彼が他のメンバーとの音楽的な方向性や性格的な不一致を感じたためだと言われています。また、バンドの活動が過激化する中で、彼のスタイルが合わなくなってきたという声もありました。
その後、トレイシー・ガンズは「L.A. Guns」を再結成し、彼自身のバンドとして活動を続けました。L.A. Gunsは、1980年代後半のロサンゼルスのハードロックシーンで成功を収め、Guns N’Rosesとは異なる形でのキャリアを築きました。
トレイシー・ガンズがバンドを去った後も、彼とGuns N’Rosesの初期のエピソードは語り草となり、バンド名の由来としても知られるようになりました。もし彼がバンドに残っていたら、Guns N’Rosesのサウンドや歴史は違ったものになっていたかもしれませんが、彼の脱退が結果的にスラッシュの加入を導き、世界的な成功に繋がったとも言えます。