いとしのレイラ / デレク・アンド・ドミノス
LEYLA and other assorted love songs / DEREK AND THE DOMINOSU
- 01.I Looked Away
- 02.BELLBOTOM BLUES
- 03.Keep on Growing
- 04.Nobody Knows You When You’re Down and Out
- 05.I Am Yours
- 06.Anyday
- 07.Key to the Highway
- 08.Tell the Truth
- 09.Why Does Love Got to Be So Sad?
- 10.Have You Ever Loved a Woman
- 11.Little Wing
- 12.It’s Too Late
- 13.Layla (いとしのレイラ)
- 14.Thorn Tree in the Garden
世に名盤と呼ばれるアルバムは数多いが、これほど名実ともに名盤と呼ぶべきアルバムはロック史上そんなに多くはない。
このアルバムは、エリック・クラプトンのアルバムなのか?
デレク・アンド・ドミノスというバンドとしてのアルバムなのか?
答えは後者だと思うが、このアルバム=クラプトン、というか、レイラ=クラプトンという図式があまりにも有名になり過ぎている帰来もなきにしもあらず。
クリームの解散、
ブラインド・フェイセスの失速にて失意のクラプトンを救ったのは、デラニー&ボニー(当時ブラインド・フェイセスの前座)のアメリカ南部音楽に根ざしたスワンプ・ミュージック
今までのレスポールをマーシャルにつないでのドライブサウンドという自らが提唱したクリーム時代のサウンドをあっさり手放し、ストラトに持ち替えたクラプトンのギターは当時賛否両論だったようだ。
このバンド、メンバーは誰ですか?
これが結構難しい!
クラプトンがその後のキャリアの中でも最も信頼をおいていたであろうベースのカール・レイドルとクラプトンと大喧嘩して、こにバンドを結果的に終焉させてしまうことになる。ドラムスのジム・ゴードン、キーボードというかマルチプレイヤーのボビー・ホイットロック言わずとしれたスライドの名手で、このアルバムのキーマンデュアン・オールマンあたりがバンドメンバーってことにあるのか?
他にもデイブ・メイスンそして、なんといっても、
ジョージ・ハリスンの影響が色濃く反映されているように思う。
平たく言えば、クラプトンは親友の女房とあってはならない恋に落ち出来上がった曲が
「レイラ」だということである。
レイラ=パティということであろう。クラプトンは意外にあまり曲を自作しないのだが、アルバム「スローハンド」収録の「ワンダフル・トゥナイト」もパティとのことを唄ったであろうと言われている。
レイラという曲は激しく恋の終わりを叫ぶような曲だが、後半一転してthorn tree the gardenという穏やかなインストナンバーへと続いていく。なんとも意味深な構成である。逸話の多い本作だが、内容的にも聴き応え十分である。
今、若い世代にポンと聞いてもらっても、もう一つピンとこないかもしれないが、聞き込むほどに引き込まれていく魔力のようなものがある。聴き所としては、なんといってもデュアンのスライドだろう。本作のギタープレイという面では完全にクラプトンを喰っている。というか、クラプトンもデュアンのスライドを聴きたかったのかも?
で、蛇足ではあるが、サザンの「いとしのエリー」桑田さんのクラプトン好き、間奏がスライドであることなどから察するに「いとしのレイラ」をリスペクトしてのものか?
洗練された曲作りがさえる、
「BELL BOTTOM BLUES」
フレディ・キング好きクラプトン十八番の
「KEY TO THE HIGHWAY」
他にも盛りだくさん!
これを聴かないとはじまりません!